アスベストとは、「石綿」ともいわれ、その繊維一本一本は目に見えないくらいの細長い天然の鉱物繊維です。
空気中に微細なアスベスト繊維(アスベスト粉塵)が放出されると、消滅することなく長時間空気中を浮遊します。その浮遊しているアスベストを、私たちは呼吸とともに吸い込んでしまいます。大きな束状のアスベストは鼻腔などでひっかかり取り除かれますが、微細なものは肺胞に到着し沈着していきます。
アスベスト繊維は丈夫で変化しにくいため、蓄積されたアスベストが肺の組織に刺さり、約20年から40年の潜伏期間を経て肺ガンや中皮腫の病気を引き起こす可能性が高く、それ故に、取り返しのつかない被害をもたらすことになり、現在では、「静かな時限爆弾」といわれ恐れられています。悪性胸膜中皮腫の、発症2年後の生存率は、約20%、発症5年後の生存率は、約3.7%という極めて低いものです。